『せん妄』に遭遇する

先週義祖母が肺炎疑いのため、急遽入院することになりました。

運悪く義父母が旅行中だったため、叔母と連絡を取り合いながら義祖母の入院の諸手続きなどを行うことに。

義祖母は御年91歳。

昭和2年生まれで一人娘。

婿を取り、ずっと家から出たことのない人でしたが、この夏自分でトイレにも行けなくなったことをきっかけに施設へ入ることになりました。

 

その施設に入って半月もたたずに入院することになり、義祖母は入院当初、こちらがびっくりするほど様子がおかしくなりました。

 

 

「せん妄」というのをご存知の人はどれくらいいるのでしょうか。

私はこの時初めて聞いたのですが、どうやら義祖母は『せん妄』という一種の精神障害を発症している状態でした。

『せん妄』の症状は認知症にも似ていて、義祖母の場合は変なものが見える、誰かが部屋を覗いている、誰かが自分を貶めようとしているなどの被害妄想がひどく、普段はそうそう無理を言ったり、人を困らせるようなことはしない聡明な人だったのに、まったくの別人のような変わりようで、看護師さんに暴言を吐く、点滴を外して血だらけになって暴れる、警察を呼んでくれと騒ぐなどのすさまじい変わりようでした。

 

入院した日はいつもと変わらない様子で、家族の付き添いはなくても平気でした。

ですが二日目の昼頃にはちょっと言動が不安定だな、と感じるようになり、夜には明らかかに様子がおかしくなったようで病院から連絡が来てすぐに駆け付けました。

 

そして上記のような症状がみられました。

 

 

 

2日目の夜、正確に言うと夜中中、義祖母は興奮して眠るどころではなく、自分が見たものをわたしたちに訴えてきました。

例えば大部屋だったのでカーテンの仕切りがありますが、そこの上から男の人が覗いていてお饅頭をくれようとするだとか、知り合いの人がお見舞いに来てくれたのだが入ってこないので大声で呼んだけど気づいてもらえなかっただとか、ベッドの下に何かいる、誰かが自分が寝ている間に部屋を変えただとか、窓の外に足のない人がいる、馬がいる、ドーベルマンがいる、鎧や兜が壁に描かれているなどなど、ぞっとするようなほど鮮明にそういうことを言い続けます。

 

私たちがそれをおばあちゃんの見間違いだよ、そんなことないよというと、私たちも自分を貶めようとしているのだっ!!という風にどんどん頑なに興奮していくばかりでした。

夜中ということもあり大部屋から個室を用意してもらい移動をしようとしても抵抗され、無理やり個室へ連れて行くと今度は元の部屋へ戻って自分が言っていることが正しかったことを確認するのだと言って元の部屋へ戻ろうとしたり。

 

おとなしくしないとほかの人に迷惑だよっと言っても、迷惑なんてかけない、ほっといてくれとなります。

 

しまいには私はずっと我慢してきてわがままなんていったことがない。

今回は絶対にあの部屋に戻る!!!!絶対に引かないというような感じで、叔母もほとほと困り果てるほど強情でした。

 

そしてその日は叔母が付き添い、次の日からは交代で朝から晩まで義祖母を一人にはしないように叔母か私たち夫婦が付き添うようになりました。

 

それから義祖母の妄想はその後少しずつ落ち着き、入院4日目にはあの激しかったせん妄が嘘のように普段の穏やかで聡明な義祖母に戻っていました。

 

『せん妄』は一時的なものの可能性が高い、そう聞かされていましたがあまりの変わりようの義祖母の姿にこの先ずっとではないだろうかという不安が大きかったので、4日目にして普段と変わらない姿に戻ったことに本当に安堵しました。

 

91歳という年齢でいえばいつ認知症になってもおかしくはないのですが、やはり今のまま穏やかで聡明な義祖母で最期を迎えてもらえればなと願います。

 

私は自分の祖母が80代中ごろから認知症になり、現在も施設にお世話になっているのですが、やはり元気なころの祖母を知っているからこそその姿を長時間みていると悲しくなることが多いのです。

 

今回義祖母が人が違ったように変わってしまったことが私でもかなりショックでしたが、娘である叔母はさらにショックだったと思います。

 

認知症によって苦しむのは本人だけでなく、家族もなんだなということを改めて感じた4日間でした。

誰しもがなる可能性がある認知症。

せん妄という一時的なものでしたが、人とはこうも変わるものなのかということを実感し、恐ろしくなりました。

 

またせん妄になる条件が義祖母には揃っていたことも忘れてはいけないなと思います。

 

高齢になってからの度重なる環境の変化、自分が必要とされていないのではないかという孤独感、そして身体的な衰え。

 

いろんな要素が複雑に絡み合い、大きなストレスを生んでいたのだと思うとそういう部分をケアしてこなったなと思います。

 

自分が経験したことのないことを想像するのは難しいですが、この長寿の時代、多くのお年寄りが経験したことのない不安や孤独を多く抱えて暮らしているのかもしれないということを考えさせられた一件でした。

 

今後義祖母が退院したら施設にもっと顔を見せに行こう、まずは身近なことから実践していこうと思います。

 

 
ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
 

 
人気ブログランキングへ