若年性認知症に家族がなったなら

実は同居中の義母が『若年性認知症』を発症していました。

『認知症』は私の祖母がそうなので、身近ではありましたが高齢者がなるイメージでした。

映画やニュースでは耳にしたこともあった『若年性認知症』。

それがこんなにも身近に起こりえることだとは想像もしていなかったです。

義母が『若年性認知症』だとわかってからもう2年以上が経ちます。

それからよく思う、感じるのが、実は今の世の中もしかしたら気づいていないだけで『若年性認知症』の人って結構いるのかな?ということ。

『若年性認知症』とは65歳未満で発症した人を指しますが、65歳未満の人って自分の親やはたまた若い人なら自分と同じくらいの年齢やさらにその下の年齢の人だっているわけです。

でも見た感じはまったく『認知症』には見えない普通の人なんですよね。

初期の頃なんてちょっと言動が自己中だなとか、同じことばっかり言うなとか、さっき言ったこともう忘れたの?とか、その人のもともとの性格がきつくなっただけような感じしかしない場合も多くて、周りも気づきにくいんですよね。

それにはじめから『認知症』は高齢者がなるものだっていう思い込みがあるから、ちょっと変だなと思っても精神的なものかなと思って、精神科を受診する人も多いそうです。

そもそも心療内科の病院のほうが若い世代には身近ですしね。

もし精神疾患ではなくて認知症かもって思ってもじゃぁ実際『認知症』ってどこで診てもらえばいいか知っている人はどれくらいいるんですかね。

良く耳にするのは『物忘れ外来』?

でも『物忘れ外来』ってお年寄りが行くところって感じじゃないですか?

まだそんな年齢じゃないんだけどって躊躇しちゃいませんか?

まぁまず多くの人は『若年性認知症』かもしれないなんて疑わないだろうなと思いますけど。

だから、自分が、もしくは家族や友人がちょっと変だなと感じている人がいても『若年性認知症』とは結び付けないし、適切なケアや知識を得ることが遅れがちで、気づいていない人が多いんじゃないかって思います。

でも、もしこの記事を目にした人がいて、家族や友人にもしかしたらって思う人がいたら、窓口はどこでもいいと思います。

とりあえず『物忘れ外来』に行ってみてもいいと思います。

ただし、この記事の続きをちゃんと読んでくださいね。

うちの義母の場合

うちの義母もはじめはちょっと変だな、くらいでした。

物の名前が出てこない。

同じことを繰り返す。

同じものが部屋中に溢れている。

人の名前が覚えられない。

そんな感じでした。

50代後半だったのでちょっと年取った?みたいな感じです。

でもそれがどんどんひどくなってきて、家族の顔を見ても名前が思い出せないような表情をしたり、今まで知っていたものをこれなにと聞いてきたり、前に行った場所のことを覚えていなかったり。

話もかみ合わなくなってきて、義母は自分が言いたいことだけ言ってこちらの言葉には反応しなくなってきました。

時間の感覚もずれてきたのか、朝8時に出発する場合でも一時間も前から早くいこう早くいこうと言うようになりました。

そんな些細なことの積み重ねですが、どんどん『あれ、変だな』が積み重なっていく感じがしました。

そのうちやはり一度病院で診てもらおうと家族の中では話になりましたが、じゃぁどこに連れていけばいいのだろうかとなかなか前に進みません。

義母の症状をネットで調べるとなんとなく認知症っぽいのですが、認知症は高齢者がなるもの。

義母はまだ50代だし違うんじゃないか。

そういう思いもあり、おかしいなと感じ始めてから結構病院を受診するまで時間がかかりました。

迷っていた理由の一つに、精神疾患ではないかという思いもあったのです。

義母は以前に精神科を受診したことがあったそうで、なおさら『認知症』ではなく、精神疾患ではないのか?という家族の迷いもありました。

けれど最終的には認知症のほうがしっくりくると思い、義母を近くの総合病院にある『物忘れ外来』に連れていきました。

これでとりあえず何か病名がわかる。

たぶん、『認知症』という結果が出るはず。

そう思ってました。

でもそこで検査をしてわかったのは『認知症』ではないということ。

なんと義母は『物忘れ外来』で受けた検査では『認知症』という病名には引っかからなかったのです。

『物忘れ外来』の検査だけではわからない若年性認知症がある

ここでまた私たちは振り出しに戻るのです。

おかしいな、絶対変だよ。

でも認知症じゃないって言われたし。

脳の検査では右側の側頭葉に縮小が見られたものの、極端ではなく老化のうちだと言われました。

また認知症かどうかのテストではほぼ答えられたらしいです。

確かに私が祖母の時に見た認知症の質問であれば時間や季節など聞かれてもこの時の義母であれば全く問題なく答えられただろうなと思います。

でも、そういう部分ではなくて、言葉などが出ない、人の話が聞けない、会話が成り立たないなど、明らかにおかしいところがあったのです。

それからさらに半年以上が経ち、また『これはおかしい』という大きな出来事がありました。

それは義祖父のお葬式のときでした。

義母からみれば義理の父である義祖父の亡くなった日でも仕事に行くと言ってきかず、葬儀の準備のため人が集まっている中、大きな音で音楽を流し歌を歌う。

葬儀の日も仕事のことが頭から離れず、ずっと仕事に行っていい??と言い続けたり、棺で眠る義祖父の写真をバシャバシャ撮る。

状況がわかっていないのか、なんなのか。

明らかにおかしい人となっていました。

それがきっかけで『若年性認知症』に特化した病院を探し、そこを受診しました。

もちろん近くにはなく、家から一時間ほどの場所でしたし、予約がいっぱいで3か月待ちでした。

3か月待った病院で初めて『若年性認知症』の中の『前頭側頭型認知症』という病気と診断されました。

初めて聞く病名。

そしてやはり『若年性認知症』だったという安堵と今後の不安。

ここからやっとスタートしました。

ここまで来るのに1年以上かかりました。

病名がわかれば過去の事例や治療法など調べることが出来ました。

と言っても、この病気が『若年性認知症』の中でもよく知られていて患者が多い『アルツハイマー型認知症』とは違い、難病指定されている病気で事例数も少ないということが分かったくらいですが。

でも、何もわからずにいたときよりも断然よくなりました。

治療法はありません。

でも、義母が少しでもゆっくりと進行していけるような環境を作るために出来ることがあるように思います。

病気がわかってからもいろいろと問題が出てきます。

とりあえずは仕事や車、対人関係。

その後は食事やお風呂、トイレなんかですかね。

進行度合いによってこれからどんどん大変になっていくんでしょうけど、まだ想像もつかないです。

その都度その都度、問題と向き合っていくしかないなと思っています。

最後に何が言いたいかというと家族にもし『なんかおかしいな』と感じた場合、少しでも『認知症』と感じた場合、まずは病院へ連れて行ってください。

物忘れ外来でわかる場合もあるし、うちのように物忘れ外来の検査ではわからない場合もある。

もし可能であれば若年性認知症に特化した病院やクリニックがいいし、セカンドオピニオンを受けるのもいいと思います。

本人が一番不安で、一番早く自分の変化に気づいています。

だけどそれを伝えることは難しくて、本人も認めたくない思いもあるからきっかけがなければ受診を嫌がります。

でも、受診をして家族でどうその病気に向き合っていくのかを話し合うことがすごく大事。

若年性認知症は働き盛りの若い人がなる病気で、一家の大黒柱であるお父さんや、お母さんがなるケースも多いです。

子供がまだ小さかったり、高齢の親御さんしか家族がいなかったり、いろんなケースがある。

だからぶち当たる壁は本当に様々で、どう乗り越えていったらいいのかわからないって途方に暮れる人も多いと思います。

私はこの病気を知って初めて若年性認知症に対して行政のフォローがほとんどないことを知りました。

認知症については高齢者がなるもの。

そういう思いがあったけれど、これは誰もがなりえる病気で、他人事じゃないんです。

もっとたくさんの人たちが知る必要があるし、もっと行政がバックアップする必要がある病気だと思います。

企業理解もまだまだ進んでいなくて、病気になればずっと働き続けるのは難しいです。

でも、出来る部分もまだまだたくさん残っているんです。

それをうまくフォローして、少しでも能力を持続していける環境づくりや、たとえ進行して仕事が出来なくても、家の外で過ごせる場所があるだけで社会と繋がっていられる環境があれば若年性認知症の患者さんや家族にとっても少しは明るい毎日になると思います。

今は高齢者向けのデイサービスはどこにでもたくさんあります。

でも若年性認知症患者向けの施設は本当に全国的にも少ないです。

若年性認知症といってもいろんな種類があり、受け入れが難しい病気もありますが、そういう施設が今後増えてほしい。

まずは若年性認知症というのがもっと身近なものだと知ってもらえたらいいなと思います。

そして我が家と同じように身近な人の変化が気になったとき、少しでも早く行動に移して向き合える人が増えると、それはきっとお互いのためになると思います。

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